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学校仲裁所とは、何ですか?

 「学校仲裁所」とは、学校内外で発生する児童・生徒同士のもめ事を、「合意」や「和解」へと導く優れた仕組みのことを言います。

 ・学校でのもめ事の多くがその後、いじめへとつながってゆくことを考えると、いじめの予防という視点は重要です。
 ・学校だけではありません、社会に出てからも同様の事態に人は多く直面します。そのことが人の一生を大きく左右する場合があります。
 ・個人間だけでなく、ビジネスにおいても同様のことがおこります。
 ・そうすると、人がそれぞれの人生の成長段階で直面するもめごとへの対応と、その解決方法を学ぶことは、人間が社会生活を行う上でとても重要なことです。社会的な活動はもちろん、経済活動を行う上でも大きな意味を持つのです。
 ・もめ事コントロールの手法を、ノルウェーは国家として学校の中に取り入れています。それが「学校仲裁所」制度です。 
 それはどんな意味があるのですか?

 ・学校には「学校仲裁所」がありますが、社会にも「紛争審議会(=Konfliktraadet)」があってそれぞれ、仲裁員を挟んで紛争当事者が話し合いを行い、もめ事を解決しています。
 ・ノルウェーはその意味で、「もめ事積極的解決型社会」といえるかもしれません。
 ・事実ノルウェーは「ノーベル平和賞」の国です。1993年にはイスラエルとパレスチナの両紛争当事者を招いて、歴史的な和解への道を開いた「オスロ合意」を導いています。
 ・その他にもアフリカや南米、最近ではスリランカの内戦の和解への仲裁を国家として進めています。
 ・日常の子ども社会でのもめ事を解決する考え方は、その子達が大人になったときに直面する様々なもめ事だけでなく、国際社会での紛争解決・紛争予防にも大きな力をもたらす、と考えられるのではないでしょうか。
 「学校仲裁所」やそこで行われる「もめ事解決」は、私たちに何をもたらすのでしょう?

 ・法律や刑罰での対応以前に、人と人の関係を修復することで同様の問題の発生を防いでいる、とも言えます。
 ・その考え方の基本は、konflikt/conflict/もめ事のコントロールにあります。法や刑罰だけでなくて、人と人との関係を修復することで社会は、新たなもめ事や犯罪を予防し、社会自身が抱える様々なリスクを軽減することが可能になるのです。
 ・社会を構成する一人一人が他者との関係により多く気付き、賢い選択をすることで社会がより安全で連帯感の強いものになる、と言う可能性に私たちは気づく必要があります。

 そのような「話し合い」による問題解決の方法を学んだ子どもたちが創る「未来社会」を想像してみましょう。
 ・そうして育った子どもたちが創る未来の社会を想像してみましょう。彼ら彼女たちが将来、政治家になったり外交官になったりして創る社会では、もめごとは話し合いで解決されるものになります。
 ・人類が武器を持って頃試合をするようになったのはこの1万年のことだ、と言います。そろそろ人類はそれとは別の紛争解決の力を身につけることが出来るようになるかもしれません。
 ・そういう社会を押し進めることは、大人たちが果たすべき子どもたちへの責任です。
 ・国と地方をあわせて1000兆円を超える借金を、私たちは未来を支える子どもたちに残そうとしていますが、それだけでなく、こうした子どもたちの未来への希望を残すことが今、問われているのです!

 そういう未来社会につながる「礎(いしずえ)」を、一緒に創ってゆきましょう!

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